告知のこと   


               
母の2度めの手術の日がやって来ました。
8月に大腸癌を切除。そして、今回が肝臓を半分切除の予定とのこと。

かなり進行してしまっている 癌ではあるんだけれど。
Dr.はどーしても本人に 告知するっ!って聞かないんであります。
入院前に本人が書き込む書類に
  『もしも癌だと分かったら 告知を望みますか?』という欄に
○をしていたらしい…

う〜ん、今の病院はそーなのかぁ。。本人の意志を尊重するのかぁ〜
なんか やられたぁ・・って感じ。


よくTVドラマのシーンでありますよね?
  「先生!後 どのくらい生きられるのですか?」ってやつ。
そして、主人公の前では作り笑顔。心で泣いて 悲しい表情は見せないで。

この1度めの手術の後も 結果を聞きたがる母にいったいどう答えたらいいのか?
大腸だけやなく肝臓まで 転移してるなんて。。言えへんがな。。
Dr.は もう1度手術する為には本人が自覚しないと検査も進まない・・って。

結局、直接本人に告知はDr.の口から。
案外 あっけない。拍子抜けするぐらい(笑)
もう一回手術やりますわぁ〜!って。おかん・・
開き直ると 母は強しですな。


実は 前に買った瀬戸内寂聴さんの本が ちょっと良かったんで
入院中はヒマだろうて 母に渡してあったんであります。
どんなに辛い日々も ほんのわずかな考え方次第で
前向きに生きられるかも?なんて思ったんでありますな。       2002.11.8
                
                    




なんでもないような事が…


最近お世話になっている 隣町の接骨医院の先生に聞いた。

 「後○年ぐらい…って、親の命の期限聞いてしまった時、
      先生やったら どうしてあげたいです?」って。

 せんせー「♪なんでもないようなことが 幸せだったと思う〜♪
        って昔 流行った歌があったっしょ?
        ある統計に・・・
        残り何年!って宣告された人が どう生きたか調べた結果はね。
        ほんまに 歌のようにやね、なんでもないようなこと。
        昨日も今日も同じ。 淡々と、切々と。
        それまでの日々と同じように みんな過ごして
        逝く・・」 んだそうな。 


う〜ん。そうかもしれへんなぁ。

よく 死ぬまでに あれが食べたい!とか、
あそこへ行きたい!とか、あの人に逢いたい・・・とかあると思うけど。

経済的なことや 体力が落ちてること。
病気が悪化して 良くはならないこと。色んなことが分かると、
海外へ旅行に出かけてしまう人なんて ほんの僅かな人だけなんだそうな。

そうかも。そうかも。。


最初入院していた公立の病院から 手術する病院まで検査に出かけたときのこと。

病院の食堂で猿姉が(兄貴の嫁はん)、何でも好きなモン頼みやぁ〜。
って言ったら、「らーめん!」って!(笑)
そんなん・・せめて お刺身定食とか、エビフライとかあるやろにぃ。

なんせ病院食っつうのは、麺類なんてほとんど出てこないらしい。
出ても伸びたソバか ぬるい素麺だったり。。

母はそういう人なのだ。。
大きな欲とかなく 小さな幸せを大事に温めることの出来る人なのだ。
この話は 手術中に待合室で義姉から聞いたのだけど。
「なんかね・・おかーさん 可愛いっ!」って思ってん・・って義姉が言う。

こんなおかんの子に生まれて良かった。
産んでくれてサンキュー!って思った次第です。
                                  小夏
                                           2002.11.25



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